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2007.10.31 Wednesday

小布施町立図書館プロポーザル審査の体験

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    29日の小布施北斎ホールでの町立図書館設計者選定プロポーザル第二次審査のための公開プレゼンテーションは、5人のプレゼンテーターがそれぞれに素晴らしい内容で、とってもいい時間をもった感じでしたね。音響がいいし、観客からも見やすいホールでのプレゼンテーションということ自体、条件的に恵まれていました。15分という制限時間を使いきってのプレゼンテーションは見事で、見ごたえがありました。終わったときにはもう午後8時を回り、北信濃では夜の冷気を感じるほどでしたが、ホールのエントランスは、コンサートかオペラの後のように、立ち去りがたい人々で溢れていました。あれほどの聴衆がいたこと、そして、それぞれの思いをきっちりと伝えようと誠意をもって発表に取り組んでくださった建築家の方々のご尽力によって、充実した場と時が生まれたのだと思います。隈研吾氏は、イタリアでの個展のオープニングに重なりご自分が出席できないことを前もって手紙で伝えてくださいましたが、提案内容は素晴らしいものでした。手紙には「事務所の総力を上げて取り組む」との文言もありました。ご本人がプレゼンテーションにお出で下さった建築家の方々もまた、同じ思いであることが、審査員席にも十分に伝わってきました。■今回の審査をしてみて、審査委員の構成がいかに結果を左右するかが実感できました。私を含めて建築関係者3名、人文系の大学研究者1名、そして図書館協会から1名(第二次審査は、関係する大会の開催と重なり欠席)、そして図書館関係の住民代表2名でした。議論してみて、図書館関係者には一つの「理想像」がしっかりと共有されていることが分かりました。審査講評にも書いていますが、実はスーパーマーケットの売り場のような空間とレイアウトこそが「使い易い、便利な」図書館だということです。駅前の、少しイメージの暗い位置にたつ、しかし小学校の運動場に面するこの新図書館を、どういう新しい場につくりあげてゆくか。町の中心部(修景地区)と対極をなす、もう一つの新しい中心をどうつくるか。目指すべきは、ここにあるわけですが、建築関係者がその方向に議論を展開させようとしても、審査委員会全体としては、なかなかそういう方向には議論が進まない。これが「交流センター(図書館)」であれば、議論は全然違ったかたちになったでしょう。「図書館」と言った瞬間に、「使い易い、便利な図書館像」が思考を支配し始めるのです。商業空間として見れば「スーパーマーケット」が普遍的理想像とは言えないことは明らかで、人々はそうはならないように、あるべき商空間を模索し続けているはずです。図書館も、そうなのではないか。今、小布施が求めているのは、町の住民の要請に対応し、時代の流れに即応し、何よりも人々が集える心地よい場所ではないのか。さまざまな関心をもつ人々が集まって、みんなで「新しい図書館」を作ってゆこうとするならば、この固定された理想像について徹底して議論する必要を感じています。
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